補強材と施工の歴史

第4世代 2000年~ 包帯補強

第4世代

補強材には高延性材(ポリエステル等)+中強度接着剤(ポリウレタン系接着剤等)を用いる。 補強材単体で効果を発揮すること、補強材が柔軟性と屈曲性に富んでおり、部材の表面の凹凸に追従すること、 接着剤が一部解除しても効果を連続的に持続すること、塑性変形がほとんどなく残留変形が残りにくいこと、軸力比の制限がないことが大きな特徴である。 また、施工面では取り付け工事のみで工数が少なく品質管理も容易、環境懸念物質、火気、粉塵を出さないので環境・人体への影響がなく、コストは低く、 重量・剛性を増加させないため、多くの点で従来法を凌駕する。

第3世代 1980年~ 連続繊維補強

第3世代

補強材には高機能繊維(炭素繊維、アラミド繊維等)+高強度接着剤(エポキシ樹脂等)を用いる。炭素繊維などの高機能繊維をエポキシ樹脂で固めてFRP体とする補強。 エポキシなどの接着的な方法で部材に固着して用いており、固着が解除すると効果が失われる特徴がある。 また、補強材が部材の表面の凹凸に追従しにくく、設置にあたり、被補強材表面の整形や面取り、含浸などの施工を伴い振動・騒音・粉塵・臭気が発生し、管理が困難で、 曲げ剛性、せん断剛性を同時に増加させる。さらに、爆裂するので、厳しい軸力比制限を受ける。

第2世代 1974年~ 鉄板巻き補強

第2世代

鉄板とグラウト材を用いる鉄板巻き補強は鉄のように弾性係数の高い補強材をグラウトなどの接着的な方法で部材に固着して用いており、固着が解除すると効果が失われる特徴がある。 また、補強材が部材の表面の凹凸に追従しにくく、設置にあたり、被補強材表面の整形やモルタル除去・目荒らしなどの施工を伴い振動・騒音・粉塵が発生し、溶接工事の板厚制約で必要以上に厚くなり、 個別に採寸し工場製作に通常1ヶ月程度かかる。また、軸力比の制限を受け(0.7以下)、曲げ剛性、せん断剛性、重量を同時に増加させる。 さらに、鉄は塑性変形を伴うので繰り返し変形後、被補強材を破壊したり補強効果を失うことがあり、地震等の後に残留変形を残す課題がある。

第1世代 1855年~ 鉄筋コンクリート

第1世代

鉄筋コンクリートは、1855年にフランス人ランボーらによって開発され、現在では標準的な工法として多様な構造物に世界中で用いられるに至っている 最近になって、コンクリートの劣化、設計基準の更新による耐力不足、アルカリ骨材反応などの問題がクローズアップされている。鉄のように弾性係数の高い補強材を部材に固着して用いており、 固着が解除すると効果が失われる特徴がある。また、現場施工は、モルタル除去・目荒らし・アンカー打ちにより振動、騒音、粉塵が発生し、工種が多く工事期間が長くなり、曲げ剛性、せん断剛性、重量を同時に増加させる。 さらに、軸力比制限を受け(0.4以下)、鉄は塑性変形を伴うので繰り返し変形後、被補強材を破壊したり補強効果を失うことがあり、地震等の後に残留変形を残す課題がある。